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【採用担当者必見】美容クリニックの面接で失敗しない全手順|優秀な人材を見抜く観察術と質問リスト

  • 採用・マネジメント
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2025 / 11 / 12

「採用したスタッフが、クリニックの雰囲気に合わずにすぐ辞めてしまった…」
「面接では良い人だと思ったのに、入職後のギャップが大きかった…」

美容クリニックの院長や採用担当者の皆様は、このような採用に関する悩みを一度は抱えたことがあるのではないでしょうか。
スタッフ一人の採用は、クリニックにとって年間数百万円にも及ぶ大きな「投資」です。わずか10分や15分の面接で、その重要な判断を下すのは非常にリスクが高いと言えるでしょう。

この記事では、数多くの面接経験を持つプロのノウハウを基に、採用のミスマッチを劇的に減らし、貴院の未来を共に創る優秀な人材を見抜くための「面接の全手順」をご紹介します。明日からの面接が確信に満ちたものに変わる、実践的なテクニックをぜひご活用ください。

株式会社Liberate Beauty 代表取締役
真山綾美

2010〜2020年まで湘南美容クリニックにてカウンセラーを務め、2021〜2022年には株式会社LOGICAでマーケティング支援に従事。その後、2022年に独立し、美容クリニック向けマネジメント・マーケティング支援会社「Liberate Beauty」を設立・代表として多彩に活躍中。

株式会社ウイングワン 代表取締役
若狹 正樹

開業実績75院以上の美容医療・自費診療専門の開業支援コンサルタント。業界歴27年、全国の医師・企業・医療法人の開業や事業再生を数多く手掛ける。2008年にウイングワンを設立後は、長年の現場経験に基づいた「美容&自費専門」のコンサルタントとして、開業・開設支援、経営再建、医業承継など、医療機関の幅広い課題解決をサポート。

目次

1. なぜ面接は「最重要」なのか?採用を「投資」として捉える視点

面接は、単なる選考の場ではありません。応募者にとっては「人生の転機」であり、クリニックにとっては「未来への投資」を決める重要な場です。

  • 応募者にとっての面接
    多くの方は、人生を変えたいという強い覚悟を持って面接に臨んでいます。その覚悟を尊重し、リスペクトの念を持って向き合うことが、良い関係を築く第一歩です。
  • クリニックにとっての面接
    スタッフ一人を雇用するには、人件費として年間で受付なら約400万円、看護師であれば600万〜700万円ものコストがかかります。これは給与だけでなく、社会保険料などの費用も含まれた金額です。

年間700万円の投資判断を、わずか15分の面接で決めていませんか?

最低でも30分、できれば1時間をかけてじっくりと対話し、応募者がクリニックで才能を最大限に活かせるか、そしてその投資によってクリニックがどう成長できるかを見極める必要があります。面接は、その可能性を見出すための最初の、そして最も重要なステップなのです。

2. 採用の成否はここで決まる!面接前にやるべき2つの準備

効果的な面接は、応募者が部屋に入ってくる前から始まっています。入念な準備が、当日の質を大きく左右します。

① 履歴書から人物像を読み解く「徹底した事前調査」

履歴書を受け取ったら、書かれている情報を鵜呑みにせず、多角的に調査して人物像の仮説を立てます。

  • 通勤の現実性: 住所を調べ、大雪や台風の日でも無理なく通勤できる距離・手段かを確認します。
  • 生活背景の推測: 不動産情報からおおよその家賃を調べ、職歴や給与とのバランスを見ます(例:長期間無職なのに高級マンションに住んでいるなど)。
  • 学歴・SNSの確認: 出身校の情報を調べたり、公開されているSNSアカウントを確認したりすることで、人柄や価値観の一端を垣間見ることができます。

これらの事前情報があることで、面接での会話に嘘がないかを見抜くヒントになり、より深く応募者を理解することができます。

② クリニックとしての基準を明確にする「ルールの事前設定」

美容クリニックとして、スタッフの身だしなみは非常に重要です。面接で応募者のセンスを一方的に評価するだけでなく、クリニックとしての明確な基準を事前に決めておきましょう。

  • 髪の色のトーンはどこまで許容するか?
  • ネイルは許可するか?(許可する場合、デザインや色の基準は?)
  • アクセサリーの着用ルールは?

これらの基準を面接官の間で共有しておくことで、評価のブレを防ぎ、応募者にも公平かつ明確にルールを伝えることができます。

3. 応募者の本質を見抜く!面接当日の実践3ステップ

準備が整ったら、いよいよ面接本番です。応募者の素顔に迫るための3つのステップをご紹介します。

STEP1:
第一印象で多くを語る「観察術」

応募者が入室した瞬間から、観察は始まっています。特に注目すべきは以下のポイントです。

  • 服装・髪型・メイク: 清潔感があり、TPOをわきまえているか。美容業界で働く意識が感じられるか。
  • 爪: 華美なネイルや、手入れされていない状態ではないか。
  • 特に「靴」: 靴には、その人の身だしなみへの意識が集約されています。
    • 履きつぶした汚れた靴 → 面接への準備不足、細部への意識の低さ
    • サイズが合わない靴 → 自分に合うものを選ぶ意識の欠如
    • 場違いな高級ブランドの靴 → TPOを判断する能力への疑問

靴の状態一つで、面接に対する姿勢や価値観を推し量ることができます。

STEP2:
本音を引き出す「対話術」

面接官が一方的に質問攻めにするのは得策ではありません。応募者に心地よく話してもらう環境を作ることが、本音を引き出す鍵です。

  • 応募者に多くを語らせる: 質問を投げかけ、相手の言葉に耳を傾ける時間を長く取ります。
  • 緊張をほぐす: 会話が弾むことで応募者の緊張が解け、素の人柄や話し方が見えてきます。
  • 入職後の姿をイメージする: 「この人が入職したら、3ヶ月後には患者様とこんな風に接しているだろう」「スタッフの中ではムードメーカー的な存在になるかもしれない」と、具体的な未来を想像しながら話を聞きましょう。

STEP3:
信頼関係を築く「雇用条件の明示」

面接の終盤で、必ず行うべきなのが詳細な雇用条件の提示です。後々の「言った・言わない」トラブルを防ぎ、応募者との信頼関係を築くために不可欠なプロセスです。
「もし今回ご縁があった場合の雇用条件をご説明しますので、よろしければメモをお取りください」と前置きし、以下の項目をリストに沿って丁寧に説明しましょう。

項目 説明内容の例
勤務時間 始業・終業時間、休憩時間、シフト制の有無など
休日 週休、祝日の扱い、年間休日数、有給休暇について
給与 基本給、各種手当(資格、皆勤など)、賞与、昇給について
試用期間 期間、その間の給与や待遇について
業務内容 具体的な仕事内容、他職種のヘルプの有無など
その他 社会保険、交通費、制服貸与、福利厚生など

優秀な人材ほど複数のクリニックから内定を得ています。このように誠実な対応をすることで、「このクリニックは信頼できる」と感じてもらい、選ばれる確率を高めることができます。

4.【保存版】そのまま使える!目的別・面接質問リスト

応募者の本音を引き出すためには、「何を」「どのタイミングで」聞くかが重要です。「応募理由」や「退職理由」といった核心に迫る質問は、場が温まり、相手がリラックスしてから聞くのが効果的です。

カテゴリ 質問例 確認したいこと・意図
基本情報 ・クリニックまでの交通手段と所要時間は?
・ご家族構成や、配偶者の方のお仕事について教えてください。
・現在の健康状態で、何か気になることはありますか?
通勤の現実性、家庭環境(転勤リスクなど)、安定して勤務できるか
職務経歴 ・前職での給与や、残業は月平均でどのくらいありましたか?
・(十分に打ち解けてから)差し支えなければ、退職理由を教えていただけますか?
・当院を志望された一番の理由は何ですか?
労働条件への価値観、ストレス耐性、退職理由の再現性、当院への本気度
スキル・経験 ・電子カルテの使用経験はありますか?(種類も)
・PCスキルはどの程度ですか?(Word, Excelなど)
・業務としてSNS(Instagramなど)を運用した経験はありますか?
即戦力としてのスキル、ITリテラシー、広報への貢献度
看護師向け ・美容クリニックでのご経験は何年くらいですか?
・(美容未経験の場合)オペ室や病棟でのご経験について教えてください。
・当院では看護師も受付や電話対応をお願いすることがありますが、抵抗はありませんか?
専門スキル、他領域での経験、業務範囲の柔軟性
価値観・人柄 ・休日はどのように過ごされることが多いですか?
・学生時代、何かスポーツや部活動に打ち込んだ経験はありますか?
・当院のHPやSNSで、スタッフとして顔写真を掲載することに抵抗はありますか?
・ご自身の長所と短所を教えてください。(回答後)もう一つずつ挙げるとしたら何ですか?
プライベートとのバランス、継続力・協調性、広報への協力姿勢、自己分析力・対応力

5. 最終決定の鍵は「既存スタッフとの相性」

面接を経て、採用したいと思える優秀な候補者が複数名いる場合、最後の決め手となるのは「今いるスタッフとの相性」です。

どんなにスキルや経験が素晴らしくても、既存のチームワークを乱す可能性がある人材を採用してしまうと、組織全体のパフォーマンスが低下してしまいます。現在のクリニックの雰囲気や、スタッフたちの性格を考慮し、「この人なら、うまく輪に溶け込んでくれそうだ」と思える人材を選ぶことが、長期的な成功に繋がります。

6. まとめ

採用面接は、単に応募者を評価する場ではありません。クリニックの未来を左右する重要な「投資判断」の場であり、応募者との信頼関係を築く最初の機会です。

  • 面接前:徹底した事前調査と、クリニック内のルール設定を行う。
  • 面接中:観察・対話・条件明示の3ステップで、応募者の本質を見抜き、信頼を得る。
  • 面接後:スキルだけでなく、既存スタッフとの相性を考慮して最終決定を下す。

今回ご紹介したノウハウは、決して特別なものではありません。一つひとつを丁寧に行うことで、採用のミスマッチは確実に減っていきます。

まずは次の面接から、「応募者の靴を観察してみる」「雇用条件をリスト化して説明する」ことから始めてみてはいかがでしょうか。その小さな一歩が、クリニックの未来を創る素晴らしい出会いに繋がるはずです。

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