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患者が本当に求める「選ばれる美容クリニック」の作り方

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2025 / 12 / 10

先生方、そしてクリニックスタッフの皆様、日々多くの患者様と向き合う中で、「なぜ当院を選んでいただけたのだろうか」「どうすればもっと満足度を高められるだろうか」と考えたことはありませんか?

美容クリニックの数は急増し、今や美容院に匹敵するとも言われる「戦国時代」に突入しました。最新機器の導入や技術力の研鑽は不可欠ですが、それだけでは他のクリニックとの差別化が難しくなっているのが現状です。

この記事では、これからの時代に美容クリニックが生き残るために本当に必要な要素を紐解きます。

株式会社Liberate Beauty 代表取締役
真山綾美

2010〜2020年まで湘南美容クリニックにてカウンセラーを務め、2021〜2022年には株式会社LOGICAでマーケティング支援に従事。その後、2022年に独立し、美容クリニック向けマネジメント・マーケティング支援会社「Liberate Beauty」を設立・代表として多彩に活躍中。

1. 技術力はもはや前提条件。
患者の心を掴む最終的な決め手は「印象」

多くの患者様は、SNSや口コミサイトで入念なリサーチを行い、「技術力が高い」とされるクリニックを訪れます。つまり、来院される時点で、患者様にとって技術力は「あって当たり前」の大前提となっているのです。

では、数ある選択肢の中から「ここに通い続けたい」と患者様に思っていただくための最終的な決め手は何でしょうか。それは、クリニックに足を踏み入れた瞬間から感じ取る「印象」です。
美容クリニックを訪れる患者様の多くは、長年抱えてきたコンプレックスを解消するため、何か月も悩み、勇気を出して来院されています。そのナイーブな心理状態において、院内の雰囲気やスタッフの対応は、施術の効果以上に記憶に残ります。

【患者様が無意識にチェックしている「印象」ポイント】
  • 受付の対応: 温かい笑顔で迎えられているか、事務的で冷たい対応ではないか。
  • 院内の雰囲気: 清潔感があるか、スタッフ間のコミュニケーションは良好か。
  • 電話応対の様子: 待合室で聞こえてくる電話応対は丁寧か、高圧的ではないか。
  • 他の患者様への接し方: 自分以外の人にも配慮ある対応をしているか。

初めての場所で緊張している患者様ほど、周囲の様子を敏感に感じ取ります。少しでも威圧的、あるいは無関心な態度を感じ取ると、心を閉ざし、悩みを素直に打ち明けられなくなってしまいます。患者様一人ひとりが特別な思いで来院していることを理解し、温かく迎え入れる姿勢こそが、良い「印象」の第一歩です。

2. 「また来たい」と思わせる、
施術中のホスピタリティ具体例

良い「印象」は、施術中の細やかな配慮によって、さらに強固なものになります。同じ機器を使った同じ施術であっても、看護師の立ち振る舞い一つで、患者様が受ける体験価値は全く異なります。
例えば、初めての施術で痛みに不安を感じている患者様に対し、

  • 「大丈夫ですよ、少しチクッとしますね」と優しく声をかける
  • 施術をしていない方の手をそっと握ったり、肩に手を置いて安心させる
  • 顔にかけるタオルの扱いが丁寧で、息苦しさがないか確認する

といった行動は、患者様の心の負担を劇的に軽減します。患者様はエステサロンのような過剰なもてなしを求めているわけではありません。求めているのは、一人の人間として大切に扱われているという実感、すなわち医療現場におけるホスピタリティです。この小さな気遣いの積み重ねが、「このクリニックなら安心して任せられる」「またここで施術を受けたい」という信頼に繋がります。

3. マニュアルを超えろ。
信頼関係を築く「愛」のあるコミュニケーション

患者様との信頼関係をより深いレベルで築く鍵、それは「愛」のあるコミュニケーションです。これは、単に親切にするという意味ではありません。「もし、目の前の患者様が自分の大切な家族だったら、どう伝えるか?」という視点を持つことです。
例えば、施術後のリスクやダウンタイムを説明する場面を想像してみてください。

  • マニュアル通りの説明: 「術後、腫れや内出血が1〜2週間程度続く可能性があります。」
  • 「愛」のある説明: 「術後、少し腫れが出て心配になるかもしれませんが、これは正常な反応です。大体1週間くらいで落ち着く方が多いですよ。もしお子様の学校行事など大切なご予定があれば、それに合わせて日程を調整しましょう。不安になったらいつでもご連絡くださいね。」

後者の説明は、起こりうる事象を丁寧に伝えつつ、患者様の不安に寄り添い、ライフスタイルにまで配慮しています。このように、相手の背景を想像し、心に寄り添う言葉をかける姿勢に、患者様は「愛」を感じ、絶大な安心感を抱くのです。

術後に何かあった時、「こんなことで電話していいのだろうか」と患者様を躊躇させない雰囲気作りも、この「愛」の表れと言えるでしょう。

4.カウンセリングで実践したい、
患者様を傷つけないための3つの配慮

カウンセリングは、患者様との信頼関係を築く上で最も重要なプロセスですが、一歩間違えれば、深く傷つけてしまう可能性もはらんでいます。すれ違いを防ぎ、満足度を高めるために、以下の3つの配慮を心がけましょう。

  • ① 指摘範囲の事前確認
    コンプレックスを指摘してほしい範囲は人それぞれです。「気になっている部分だけアドバイスが欲しい」のか、「プロの視点から見て気になる点はすべて指摘してほしい」のか、問診の段階で意向を確認することで、後のトラブルを防げます。
  • ② 解決可能な提案の徹底
    自院で解決が難しい、あるいは非常に高額・高難易度の施術が必要な問題を安易に指摘することは避けるべきです。それは患者様を不必要に傷つけるだけで、双方にとって何の利益もありません。指摘は、あくまで自院で実現可能な改善提案とセットで行うのが鉄則です。
  • ③ 複数の選択肢と誠実さ
    ダウンタイムや予算など、患者様には様々な事情があります。理想的なプランだけでなく、患者様の状況に合わせた複数の選択肢を提示しましょう。 また、自院の施術範囲を超えていると判断した場合、正直にそれを伝え、より適切な他のクリニックや医師を紹介する姿勢は、目先の利益を失うように見えるかもしれません。しかし、その誠実さは「患者様の最善を願う愛」の表れとして、かえってクリニックへの絶大な信頼に繋がります。

5. 最高の「印象」はチーム医療から生まれる

これまで述べてきた「印象」や「愛」は、一人の優れた医師やスタッフだけで作り出せるものではありません。それは、院内全体の雰囲気、すなわち「チーム力」から滲み出るものです。
患者様は、院内の人間関係を敏感に察知します。

項目 良いチームのクリニック 悪いチームのクリニック
スタッフ間の会話 連携が取れており、
活気がある
緊張感が漂っている、
私語が多い
医師とスタッフの関係 互いに尊重し合い、
協力している
上下関係が厳しく、
萎縮している
患者様が感じる印象 安心感、信頼感、一体感 不安、不信感、
居心地の悪さ

技術は高いものの少しコミュニケーションが不器用な医師を、周りの看護師や受付スタッフが一体となってサポートしている「ファミリー感」のあるクリニックは、患者様に大きな安心感を与えます。医師一人の力に頼るのではなく、チーム全体で患者様を迎え入れ、支える姿勢こそが、これからの時代に求められるのです。

6. まとめ|
明日から始められる「選ばれるクリニック」への第一歩

美容クリニック戦国時代を生き抜くために必要なのは、最新の機器や高度な技術だけではありません。患者様の心に深く刻まれるのは、スタッフの温かい対応から生まれる「良い印象」、患者様の人生に寄り添う「愛のあるコミュニケーション」、そしてそれらを支える「良好なチーム医療」です。

今回ご紹介した内容は、多額の費用をかけずとも、スタッフ間の意識改革や日々のコミュニケーションを見直すことで、今日からでも実践できることばかりです。

ぜひ、この記事をきっかけに院内でミーティングを開き、「どうすれば、もっと患者様に安心感を与えられるか?」を話し合ってみてはいかがでしょうか。その小さな一歩が、患者様に末永く選ばれ続けるクリニックを作るための、最も確実な道となるはずです。

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